……はぁ。
思わず素でため息が漏れてしまう。
椎木篤彦、最近大人しいなぁと思っていたけれど……
やっぱりあの時私を仕留め損ねたことを相当根に持っていたんだろうな。
とはいえ、ここまでしますか??
昨日の京といいどっかの若頭といいこの人といい、お願いだから倫理観というものをもう少し持ってほしいものだ。
「……千歳ちゃん、コイツはマジで通報した方がいいっす。なんなら俺がしましょうか??」
これ以上ないほど深刻な表情で、篤彦を親指でグイと指差し、そんなことを言ってくる栄輔。
ぜひお願いしたい。私も、今まで結構な頻度でこの人に犯罪行為されてるから、訴えたい欲は強い。
篤彦にじとっとした視線を向けるが、本人はあっけらかんとして、ひょいっと黒い物体を放り投げているだけ。
「あーあ、せっかく録ったのにこれじゃお蔵入りやな。どーしよ」
「じゃ、あとで録音ちょうだい。使うから」
最悪発言の犯人は峰間京。
「おい!」と慌てる栄輔、ハッとゆるく鼻で笑う篤彦。
「いや栄輔みたいなこと言うな」
「いや言ってないですからね!!」
さすがに秒でツッコむ栄輔。
はぁ、と苛立ったようにため息を吐いて、乱雑に髪をかき上げる。
