さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



胸を痛ませながら、数秒間、そうしたまましばらくいると。

やがて、腕の中で、京の呼吸のリズムが少しずつ戻っていくのが分かった。


……あ。

このまま、少し落ち着いて話せるようになるかな。


と、そんな予感のもとで、京に触れていた手をそっと離しかけた──

の、だけれど。


グイッ!!


空いた両手を強引にベッドに縫い付けられ、動きを封じられた。



……え、?



気づいたときには再び覆い被さられていて、真上から影が落ちる。



「……ねぇ」


低い声。


さっきまでの泣き出しそうな脆さは消えて、代わりに瞳に浮かぶのは──


甘ったるく、逃げ場のない熱を含んだ視線。



「ご褒美ちょうだい、千歳」



あ。

やばい。


ぞくり、と戦慄する背筋。



この感じ──

たぶん、この人、もう止まる気ない。



「……なに、を」



自分でも情けなくなるような、掠れた弱い声で問うと。

京は、何も答えないまま、ふっと甘やかに目を細め──


再び、私の唇を深く塞いできた。



「っ……!」



両手をベッドに固定されたまま、すぐに舌の熱が触れ合う。