さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



ということは、つまり。


霞が私に何をしたのか。

どれほど執着しているのか。

どんなふうに、私のことを囲うつもりだったのか。


そういった彼の動向は──

かなり早い段階から、全部京のもとに筒抜けだったってことだ。


「……受け入れたんだ」


静かに、それでいて責めるように落ちてくる、京の声。


──違う。

好きで受け入れたわけじゃない。


あの状況で、家族を、エマのみんなを守るためには、あれ以外の選択肢はなかった。


……なんて、そんな言い訳をつらつら並べたら、許してくれるだろうか?


そんなわけがない。

少なくとも私が京だったら、絶対に許したくないと思う。

だって、私にどんな大義名分があろうと、約束を裏切ったという事実に変わりはないのだから。


今更何を言っても墓穴を掘る気がして、黙り込んでしまう私。


そんな私を前に、京は痺れを切らしたのか、苛立たしげに目を細め──

そのまま、私の首筋に顔を埋めてきた。