さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



バンッ!!!!


爆発音じみた凄まじい音を立てて、ドアが蹴破られた。

部屋を満たしていた熱っぽい空気が、一瞬にして凍りつく。


そこに立っていたのは──峰間京。

肩で息をして、乱れた前髪の隙間、こちらをじっと睨んでいた。


「っ、え」

「は?」


ほとんど同時に、私と霞は困惑の声を上げた。

助かった、という安堵よりも先に、疑問符が脳内を駆け巡る。


ちょっと待って、どうやって入った?

奇跡的に翠雲会の厳しいセキュリティをすり抜けてきたってこと……?

いや、だとしてもどうしてこの部屋に居るって分かったの?


「……なんでいるんだよ、テメェ」


苛立ったような霞の声に、京はさらりと前髪をかき上げる。


「別に。不法侵入」


『別に』じゃないから!!!

京の場合は下手したら本当に拷問だよ?!早く逃げなよ……!!と焦る私をよそに、京はひょいとその場に置いてあった私の紙袋を肩に引っ掛けると。


そのままツカツカと躊躇いもせずベッドサイドに歩み寄ってきて──


バキッッ!!


霞の頬を、思いっきり殴り飛ばした。


な──っっ?!?!?!