「ん、ふっ……」
自分の意思とは無関係に、鼻から漏れ出る甘い吐息。
それに煽られたみたいに、さらに深く口付けてきて。
静かだし、薄暗いしで、とにかく音と匂いの刺激が強い。思考がぐずぐずに溶かされそうになるけれど、このまま流されてしまっては絶対に朝までコースだ。
「っ、あのっ、ちょっ、と……っ」
「好き」
「んっ……!」
「大好き」
抗議しようと紡いだ言葉は、何度も重ねられるキスの雨に飲み込まれて消えてゆく。
さらにそれだけでは終わらず、彼の大きな掌がワンピースの裾からするりと入り込んできた。
「……っ、ひ、」
その指先が、私の太ももの内側を直接なぞる。
いやこれヤバい、本格的にヤバい。
キスにあてられたのか、霞の理性のタガが外れ始めてる……!!
脳内でけたたましく響く警鐘。
しかし同時に、今の私はこれからこの組にお世話になる身。
瀕死の重傷を負った若様相手に物理的な抵抗でもして、傷口が開いたりでもしたら……と躊躇っているうちに。
いつの間にかグイと身体をベッドに縫い付けられ、押し倒されるような形になっていた。
背に冷や汗が滲む。
えっと、怪我人……なんだよね……?
