霞を始めとした九条家全体にハメられた感満載のミッション達成だ。
最初は霞ってチョロいのでは、なんて思っていたのが懐かしいな。
その頃の私の耳元に飛んでいって、泥沼に巻き込まれるだけだから手を引けって教えてあげたい……。
って、今更そんなことを考えても無意味か。
私は思わずその場で頭を抱えて、特大のため息をこぼしてしまう。
高校入学とともに、ただでさえ波瀾万丈な人生がさらに滅茶苦茶になりそうな予感がすごいんだけど……
私、果たして無事に切り抜けられるんだろうか。
と、ひたすら行先を案じて鬱々としていた、そのときだった。
不意に、音もなく広間の襖が開いて。
外に控えていた使用人が、頭を垂れ静かに報告。
「若様の処置が完了いたしました」
「そうか」
私に対する態度とは打って変わった、冷たい表情で答える総一郎さん。
けれど改めて私に向き直ると、すぐにさっきまでのニコニコ笑顔に戻った。
「……さて、千歳様」
……なんだ?
ちょっと嫌な予感がして表情を引き攣らせるけれど、総一郎さんは構わず、圧の強い微笑を浮かべたまま。
「霞様を、優しく甘やかしてやってくださいませ♡」
またもや、とんでもない要求を投げてきた。
