まず幸い、あちら側は形式的な結婚を保証してくれている。
加えて、私はまだ15歳。実際に結婚できるようになるまで、まるまる3年ある。
その間に状況が変わるかもしれないし、もし変わらなかったとしても──
私の戸籍ひとつでミッションが達成できるなら、まぁ安いものだろう。
肝心なところで、情に流されちゃダメ。
取るべきは、最終的な幸福の最大値。
私はしばらく口元に手を当て考えていたけれど──
ようやく、顔を上げた。
「……分かりました」
私の答えに、やはり、とでも言いたげに微笑む総一郎さん。
「利発な千歳様なら、そう仰ってくださると信じていましたよ」
──ミッション、達成。
一ヶ月の奮闘を経て、晴れてスポンサー契約締結。
本来なら、もっとなんというか、達成感とか安堵みたいなものがあって然るべきところなんだろうけど。
……なんだか、今回はもう、ただただ悔しい。
