「そんな我儘、聞き入れちゃダメですよ……!組の存続がかかる大事なことなのに!!」
必死になって主張すると、執事さんはふふふと怪しく笑いながら蝶ネクタイをピンと整える。
「良いのですよ。この爺が認めたのですから」
「なんで、そんな……あなたに一体なんの権限が、」
いくら若君のお目付け役で位が高かろうと、そんな組織の根幹に関わるような決定権を持てるはずがない。
それが許されるのは現総長か、もしくは──
「申し遅れましたな」
彼は私の思考に呼応するように、こちらへ向き直ると。
そのまま深々と頭を下げ──
「私、霞坊っちゃまの祖父であり、先代総長を務めておりました──九条総一郎と申します」
爆弾発言を、投下した。
……
……
……
「はぁぁぁぁあああ?!?!」
未だかつて出したことがないレベルの大絶叫が、広々とした極道御殿に轟く。
この好々爺が……まさかの、『先代総長』?!
霞が爺って呼んでたから、そういう役職名?お目付け役?みたいな感じかと思ってたら……ガチのお祖父様だったってこと?!
っていうか、だったらこんな一般人に簡単に頭下げないでほしいそんな偉い人がっ!!
