さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「……知ってたんですか?私が女だって」


ストレートな質問に、眼鏡の奥の瞳を楽しげに細める執事さん。


「いいえ?こちらが手を貸す前に、霞様がご自身のパイプラインを使って自力で調べ上げたのですよ──榛名優羽の義娘だと、ね」

「っ……」

「爺はそれを横から見ていただけでございます」


ホホホ、と愉快げに笑う執事さんを前に、私は思わず視線を伏せた。


なんとなく怪しいなとは思ってたけど……やっぱり私、霞にも正体を見抜かれていたんだ。


まあ、それ自体は驚くことではない。そもそもあそこまで濃厚接触しておいて、女だってバレてないのも無理があるしね。


でも……それなら、どうして私はいまだに排除されていないんだろう?


いくら私とイチャイチャするのが楽しいとはいえ、霞は意外と損得の分かるリアリスト。


自分のことを落とそうとしてくる敵対組織のトップの義娘なんて、普通に考えて地雷要素しかないわけだし……彼なら、正体を突き止めた瞬間さっさと始末するだろうに。

そんな私の困惑を読み取ったのか、執事さんがゆったりと口を開いた。