さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



そんなことより今集中すべきは、スポンサー乗り換え作戦の方。


もうこちらは時間がないし、そろそろ霞もフラストレーション溜まってきた頃合いだと思うから、今日の放課後あたりに接触しようと思ってたのに──

まさかの早退とは、想定外だった。


どうしよう……

もし体調不良か何かでこれから休まれ続けたら、これまでの努力が水の泡になってしまう。

せめて、今の彼がどんな状態なのかだけは知っておきたいな。


あとでDMでもしてみるか……と、そんなことを考えながら歩いていた、そのとき。


視界の端──
路地裏の奥の方に、ふと黒い人影を見つけた。


一度そのまま通り過ぎかけたけれど、嫌な予感がして、足が止まる。


……今の、何?


雨のせいでよく見えないけれど──
壁にもたれて座り込んでる、人?


慌てて目を凝らす。

薄暗い路地。濡れたアスファルト。
どこか見慣れたシルエット──


心臓が、どくんと嫌な音を立てる。


「……っ、霞先輩?!」


気づいた時には、反射でその場から駆け出していた。