……こういうの、なんていうんだろう。
なんていうか分からないけど、絶対、見ないふりをしてはいけないものだ。
上手く言語化できないまま、思考だけがぐるぐると絡まって。
心臓がドキドキと嫌に加速、冷や汗が滲んで、呼吸が浅くなってゆく。
「…………せ。千歳?」
「っ!」
ハッ、と顔を上げた。
視界が、明転。雪斗の心配そうな顔が目の前に。
……
……え?
待って……私、今どういう状態だった?
ここまで周りをシャットアウトして思考に沈んでしまったことは初めてで、我ながら戸惑う。
側から見たらちょっと、いや、だいぶおかしい挙動してたよね……?
今更焦るけれど、雪斗は引くというよりも、むしろ本気でこちらを案じてくれているみたいで。
「……大丈夫?顔色すごく悪い」
「え、あ……ごめん」
優しい声をかけてくれた彼に反射で謝ってから、自分の声が思ったより掠れていたことに気がつく。
喉が、ひどく乾いていた。
反対側の隣で、陽斗もちょっと気まずそうにため息を吐く。
「……雪くんが重い話始めるからだー」
「いや始めたのお前な。ほら千歳、水飲め」
「あ、ありがと」
雪斗が差し出してきたペットボトルを、慌てて受け取る。
キャップを開けて口をつければ、冷たい水が喉を通っていくのがわかった。
