「……母さん、若年出産だったんだよ。高校の時付き合ってて、そのままデキ婚した」
「……それは、何歳で?」
「お互い18。経済的にも不安定な年齢だし、しかも双子だったから、最初はおろすつもりだったみたいだけど──
周りがさ。父親に、子どもできたからって逃げるなんて最低だ、ちゃんと責任取れって散々圧かけて……結局、籍入れざるを得なかったんだって」
その背景に、私はちょっと俯いて考え込む。
家庭で暴力を振るうのは、どんな理由があってもいけないことだ。
どれだけ本人が辛かったとて、それが免罪符になるようなことは絶対にあってはいけない。
……けど。
それでもやっぱり、追い詰められていたんだろうな、とは思ってしまう。
責任を取れ、と喚くくせに、それを果たすための土台なんて、ほとんど用意してくれない社会。
安全圏から野次だけギャーギャー飛ばしておいて、いざ本当に本人が壊れそうになったら、背を向けて知らんふり──
そういう理不尽って、すごく多いから。
一見悪役に見えるような人でも、自分がなりたくて捻じ曲がったわけじゃない。
そうなるまでにはそれなりの理由があって、決してその人一人の問題じゃないんだって、最近になってちゃんとわかってきた。
