さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「……いや、冗談にならないだろこの話は。Youtubeじゃなくて警察とかに持ってった方がいいんじゃねぇの?」

「はぁ?雪くんマジ?」


雪斗の言葉に、今度は陽斗が眉根を寄せる。


「ヤクザと警察って繋がってるんだよ、知らないの?」

「えっ、そうなの?」


素っ頓狂な声をあげる雪斗。


……そう。

陽斗の言う通り、そういうことは結構普通にあるらしい。


末端ならともかく、榛名優羽のようなエマに融資できるくらいの規模になってくると、警察に駆け込んでハイ解決は絶対に無理。

警察とヤクザって、制度上は敵でも、個人単位ではあちこちで癒着が起きてるって聞くし……

安易に大人を頼ったら、銃口が向くのはこちらの方になってしまう。


「……下手したら相談した瞬間に情報流れちゃうみたいだよ。味方の顔して裏で繋がってたりとかザラだって」

「そうなの?……よく知ってるな」


感心半分、怯え半分といった感じの反応の雪斗に、ちょっと気まずくなる。

全部、京とか天馬さんからの受け売りなんだけどね……。


と、そんな私の横で、グミをポイポイと口に放り込みながら煽る陽斗。


「残念ながら、雪くんが世間知らずなだけだにょーん」

「……お前はなんでそんなお気楽でいられるんだよ?だいぶ深刻な問題だぞ?」


いつもと変わらないテンションの陽斗に苛立ったのか、咎めるような口調で言う雪斗。

けれど陽斗は悪びれもせず、「え、だってさ」と軽い調子で続ける。


「ろくでもない大人なんて、僕らも散々見てきたじゃん」


さらり、と告げられたその言葉に、雪斗の表情が明らかに固まった。

……『僕らも散々見てきた』?