さっきまで俺の隣で呑気にスマホをいじっていた陽斗も、さすがにその異様な空気感に気がついたのか、ぴたっと手を止めて視線を上げた。
教室中の視線を浴びる中、京は霞に一歩詰め寄ると、嘲笑混じりに吐き捨てる。
「好きになった理由だって、ツラが好みだから〜とか、そういう薄っぺらい理由でしょ」
「……はっ、好きになる理由が深い方が偉いのかよ。ロマンチストだな」
鼻で笑って、こちらも一歩距離を詰める霞。
そのまま、再び京の胸ぐらをグイと掴みあげ──
「好きになった理由なんか、顔と身体と下心しかねぇよ──ガキの煩悩まみれの恋愛なんてそれで充分だろ!」
堂々と言うことじゃねぇんだよそんなのはっっ……!!
ついに霞が開き直り始めてしまって、もう収拾がつかない。
京も京だ。お前だって別に純愛マウントは取れねぇだろ一時期彼女5人いたくせに。
どれだけ罵り合っても同じ穴の狢なんだから埒明かねぇって!!
