「っ……」
衝撃で、わずかに顔を歪める京。
どよめく教室。小さく上がる悲鳴。
霞はそんな周囲の反応には一瞥もくれず、ツカツカと京のもとに歩み寄ると、冷め切った瞳で見下ろした。
「……なぁ。お前何がしたいんだよ、一昨日からずっと」
「……」
「殺されたいの?」
地を這うような低音。関係のないこちらまで呼吸ができなくなりそうな、とてつもない威圧感。
いや……マジで京お前、何したの……??
そりゃ、確かに昨日から必要以上に千歳にベタベタしてて気色悪りぃなとは思ってたけど……
お前ならちゃんと一線は越えずに危機管理できるだろうって心のどこかで信じてたのに。
『可愛かったでしょ、千歳』ってなんだよ?
千歳に何をしたんだよ?
で、なんでそれを霞も知ってんだよ?
脳内が疑問符で埋め尽くされるけど、とりあえず今はこの争いを鎮火することが最優先だ。
全力で『謝れ!』と京に口パクする俺だったけど、彼がこちらの必死のアピールに気がつくことはなく。
それどころか、乱れた前髪の隙間から、ふっと挑発的な視線を返して──
「……ポッと出のくせに付き合えるとか思ってんじゃねぇよ。カスが」
バッチバチに煽り始めた。
おっとやばい。
戦争だ。
