きっと京は──
私の知らないとこでも戦ってくれてたんだろうな。
私に向けられる邪な視線を捌き続け、一方で霞との距離は縮まるように私の背中を押し続けて。
自分の感情は後回しで、ずっと軽口を叩いて平気なふりをして。
……そりゃ、精神がすり減っちゃうのも当たり前だ。
今更私が何を言ったところで償いにすらならないかもしれないけど、少しでも安心させてあげられないかな……。
そう思った私は、くるりと彼の腕の中で身体を反転させた。
バックハグから、真正面で向き合う形へ。
「京、」
そのまま言葉を続けようとした──
刹那。
──ちゅ。
唇に、軽いキスが落ちた。
触れ合うだけで、離れる。
さっきと同じ。
けど、さっきのような揶揄いの色は、彼の瞳にはなくて。
代わりに滲むのは、仄暗く濁ったような、剥き出しの飢餓感。
あ。
これ、まずい──
本能が警鐘を鳴らしたときには、もう遅い。
頬を両手で包まれて、再び、深く唇を重ねられていた。
