それでも、昨日承諾してしまった以上、強く文句を言えるわけもなくて。
『俺を当て馬として使っていいよ』っていうのは『俺にどうされても文句言わないでね』と同義だったんだ、なんて今更ながら考えてしまう。
本当、峰間京って女の子の逃げ場を塞ぐ立ち回りが上手すぎる。
今まで培ってきた女たらしスキルをこちらにフル動員してこないでほしい……。
と、そんな私の願いも虚しく、京のアプローチは放課後になっても止むことはなかった。
「千歳〜、勉強教えて」
授業終わり、赤だらけの答案片手に1年の教室に突撃してきた峰間京。
本当はさっさと帰りたかったんだけど、今の峰間京がそうやすやすと逃がしてくれるはずもなく。
今こうして、人気のないラウンジの小上がり席にて、『千歳塾』が開講される運びとなっている。
なんで、上級生相手に勉強会なんて……と、最初は死ぬほど乗り気じゃなかったんだけど。
峰間京の深刻すぎる答案を見た瞬間、話が変わってきた。
うーん、Na全ベット女と良い勝負だぞ、これ……。
そういえば、京って中学時代色々あったからまともに学校行けてないんだっけ。
基礎がすっぽ抜けてるなら、当然高2の勉強なんか理解できるはずがない。
留年されて来年同学年になるのも色々面倒なので、どうにか回避させなくては。
でもまぁ、そうはいっても、きっと京は夏葉ちゃんと同じく地頭は良いから、ちゃんと教えたらすぐできるようになるはず。
そこまで苦労することもないんじゃないかな?
そう踏んだ私は、とりあえず中学の内容から詳しく教え直していたんだけど──
