さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「千歳がメロつくってよりは、遥風が囲ってるくない?」


またお前かよ陽斗っ……!!!!


しかもニヤニヤ性悪な笑みを浮かべて絶対に確信犯……のちのち千歳が困るのを見越してわざと言ってんな?


頭を抱えてしまう俺をよそに、案の定食い気味に反応する九条霞。


「は?あいつが囲うとかあんの?ぜってー女に自分からいくタイプじゃねぇだろ」

「いや、だからまぁ、遥風も気まぐれだろうし、そのうち飽きる……」


慌てて身を乗り出し、どうにか軌道修正しようと口を開くも。

そんな俺の努力を嘲笑うみたいに、最後の最後で致命傷を叩き込む悪魔が一人──



「それ以前に、あいつらもうやることやってんでしょ」

「…………はっ??」



爆弾職人・峰間京。

ドッカーン!!と目の前で大爆発が起こる錯覚。

真っ黒焦げになる俺。



数秒間、ちょっと固まった後──

俺はスッ、と大人しくソファに座り直し、天を仰いだ。



…………悪い、千歳。


俺の能力じゃ、どうやらお前のことを守りきれなかったらしい。

これからの一週間、どうにか九条霞とのエンカウント回避して頑張ってくれよ……。


そんなことを祈りながら、俺は全ての感情をシャットアウトすると。

死んだ目のままで、冷め切った弁当の蓋に手をかけるのだった──。