恨みがましくなる俺の向かいで、霞はグシャリと髪をかき上げ焦ったそうに吐き捨てた。
「チッ、なんで千歳今日来ねぇんだよ。……夏葉今日家行っていい?」
「死ね」
「妥協しようとしないよ」
中指を突きつける夏葉、冷めた視線の茉白。
コイツ、すべての思考が全部性欲に直結してやがる……こんな奴にロックオンされてしまった千歳があまりに不憫でならない。
いや、確かに千歳が可愛いのは分かる。
優しいし話してて楽しいし、一般人として出会ってたら俺も普通に好きになってたと思う。
けど、俺たちはアイドル練習生で、霞に至ってはトップアイドルだ。
そこら辺はちゃんと線引いとかなきゃマズいだろ……リスク管理っていう概念ないのか?
「でも本気でどうにか発散しねぇと、次あいつ見つけた時人前だろうがなんだろうが押し倒すの確定」
「お前シャバに出てくんなよ」
「炎上しろ可燃ゴミ」
京と茉白から思いっきり非難を受ける霞。
いやホントだよ大声でなんてこと喋ってんだ。今日でアイドルやめんのか?
このままじゃ一緒にいる俺らまで下ネタ軍団みたいになるだろうが、マジで勘弁してくれよ……と頭を抱える俺の横で。
ずっと黙って話を聞いていた陽斗が、呆れのため息混じりに言った。
