さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



「ん、っ……!」


思わず、ぎゅっと目を閉じる。

初めてキスしたときと違って、リードするのは霞の方。


離れたかと思ったら、もう一回、とでも言うようにすぐに重ねられ。


「っ……、ふ、」


深く、逃げ場を与えない執拗なキスに、息がうまくできなくなる。


合間、カツリとぶつかる眼鏡。


邪魔。


そんなことを言うみたいに、片手でそれを外され──

もう一度、深く唇を食み直された。

ちゅう、と小さく音が鳴る。


甘い。

熱い。

くらくらする。


けど、いつもみたいに流されるままではいられないから。

私もぎこちなく応じれば、煽られたように、後頭部の手の力がぐいと強くなって。


「……っ、ん、」


何度も、何度も、貪るみたいに落ちてくるキス。



──ああ。

またひとつ、鎖をかけてしまった。



これが吉と出るか凶と出るか、まだはっきりとは分からないけれど。

もう、ここまで来たら後戻りなんてできない。


これからの一週間で──

今日生まれたこの熱を武器に、なんとしてでも私の目的まで辿り着かなきゃ。


そんな冷たい覚悟を胸に、私は霞の熱に懸命に応え続けた。