さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



…………

…………え。


全身から、血の気がさぁっと引く。


な、っ……えっ、と、ちょ、待って。


…………え???


完全に脳がバグってしまって、言葉が出てこない。

口角が固まり、指先が冷たくなる。


霞はそんな私からふいと視線を逸らすと、何でもないことのように無表情で続けた。


「最初の方はマジで何考えてっか分かんなかったけど……こんだけ長い時間一緒にいりゃ分かってくんだよ、そういうの」

「……っ」


息が、喉奥に詰まる。


そん、な。

じゃあ、私が騙せてるって思ってた間も、この人は薄々こちらの打算を勘付いてたってわけで。

それを知った上で、私のことを転がし続けてたってこと?


そっか……なんか手応えが無いと思ってたら、やっぱり知った上で楽しんでたんだ……。


いや、でも、そうだよね。

冷静に考えたら、九条霞は極道の跡取り。

多方面から権力目当てに狙われ続けてきたわけだし、こんな素人の色仕掛けくらい見分けられて当然だ。


結構仕方ないとこもあったかも……

…………

…………

……いやいやいや仕方なくないから!!!!


思わず自分で自分にツッコんだ。

何を納得しちゃってんだ、私。


これから一体どうすればいいのか、天馬や静琉にどう報告すればいいのかとか、問題は山積みなのに。

っていうかバレてしまった以上、五体満足でエマプロに戻れるのかどうかも怪しいし……!!