さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



私は焦りながらも脳をフル回転させて、なんとか活路を探る。


この状況をひっくり返せるカードは──

ああ。きっと、これしかない。


個人的にはヘビーすぎて、できれば切りたくなかった札だけど……もうここまで来たら使うしかないよね。

再度覚悟を決め直した私は、腰をずらして霞との距離を詰めると。


そのまま彼の顔を覗き込み、ふっ、と薄く笑った。


「……付き合ってないですよ。俺が茉白ちゃんと仲良くしてたのは、先輩の気を引きたかったからです」


必殺──

ど直球好意丸投げ。


プライドが高くて素直に同性愛に転びそうにない霞に対しては、だいぶギャンブルだけど……

駆け引きとは言え手繋ぎ、ハグ、キスだってしてるわけだし、彼も少なからずこちらを意識してくれてるはず。


だから、これくらい攻めても大丈夫だよね……?

お願い、どうにかなって……!!


と、内心祈るように彼の反応を待っていると。


霞は一瞬、わずかに目を見開いた後──

ふ、と、どこか面白そうに目を細めた。


な、何……?


予想外の反応に戸惑う私に、霞はちょっとため息を吐くと。



「──お前。俺のこと利用してんだろ」



静かに。

それでいてはっきりと、そんな言葉を落とした。