『俺が仮にその状況だったら、殺す一択だけど』
「正当防衛?」
『余裕でな。てかそもそもセッティングが悪意あるしこれは』
「あはは、ごめんごめん」
頬が自然と緩む。
やっぱり参考にならなかった……
けど、遥風と話しているとなんだか思考が落ち着く。
気づけばラウンジに入ってきたときのぐちゃぐちゃ感はどこへやら、実家かってくらい安心して話せてる自分に驚いた。
やっぱ長年仲良くしてきた友達は違うな……と少し感心してしまう。
……友達、と言っていいのかどうかは分からないけれど。
と、そんなふうにくだらない会話を続けていた──
そのときだった。
「千歳」
ラウンジ入り口。
低い声に名前を呼ばれて、ビクッ!!と肩が跳ねた。
スマホのマイク部分を手で覆い、ぎこちない動きで振り向くと。
そこに立っていたのは──
九条霞。
スクバを肩に引っ掛け、ポケットに手を突っ込んで、気怠げにドア枠に寄りかかっていた。
