あの、衝撃的なキスの後。
私は数秒間、何が起こったのか分からず、地蔵のように固まっていたけれど──
やがて我に返った瞬間、思考がボン!!と思いっきりショートして。
「……っ、……俺、用事思い出したっ……」
と、あまりにも下手すぎる言い訳だけを残し、脇目も振らず教室を飛び出してしまった。
廊下を駆ける足音に合わせて、バクバクバクバクと痛いくらいに高鳴る心臓。
廊下の空気がひんやりと触れて、頬の熱さを嫌でも自覚させてくる。
えっ、なんで……
本当になんで?
意味が分からない。
あの子、男に消費されるのが嫌なんだよね?
だったら、どうしてわざわざ自ら誘惑みたいなことしてくるの?!
普段は嫌なことも許せちゃうくらい、私のことが好きっていう意思表示なんだろうか──
その真意が何にせよ、この展開は困る。
私は茉白ちゃんたちとは女友達同士でいたいのに……!!
とはいえ、友達同士のままでいようって言ったら気まずくなっちゃうだろうし……
かといって、恋人同士になってもそれはそれで気まずいんだろうけど!!
