さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



独り言みたいに落としたその言葉に、京は一瞬動きを止める。

おっ、嫉妬か?とニヤつきかけた俺だったけど、返ってきたのは──


「……は?」


とんでもない低能野郎を前にしたかのような、驚きと哀れみの混じった視線。


……は?


「なにその反応」

「いや逆に聞くけど、お前急に『地球って丸いよな』って真顔で言われたらどう思う?」


なんだコイツ。

千歳が可愛いのは、地球が丸いと同レベルの自明の理ってか?盲目すぎんだろ。

予想外のキモい返しに顔を引き攣らせる俺をよそに、京は明らかに不機嫌になって吐き捨てる。


「ってか、気安く千歳のこと可愛いとか言わないで。下半身でしかモノ考えてないくせに」

「あ?」


カチンときた。

ずっと思ってたけどコイツ俺に対する当たり強くね?

それも、最近日に日に態度悪くなってってる気がするんだけど。


普通の奴なら九条の家名に恐れ慄いてひれ伏すところを……

命知らずなのか?

それともただの世間知らずの情弱?


せっかくだしいっぺんビビらせてやろうと思った俺は、あからさまに苛立ったトーンで口を開いた。