「あ、でも、一つだけ、得意料理があった! 卵かけご飯!」
「みゃー……」
わたしのダメ出しに、ベルちゃんがやれやれと首をかしげる。
悲しげに、しっぽがぴこぴこと揺れた。
「卵の白身だけをご飯にかけてー。メレンゲ状になるまで、よくかきまげる。最後に黄身を乗せたら、完成!」
「冬華が作る卵かけご飯は、すごくおいしいね」
わたしが得意げに言うと、渚くんは楽しそうに笑った。
渚くんはいつも、わたしが作った卵かけご飯をほんとにおいしそうに食べてくれる。
「みゃ〜!」
もっとも、ベルちゃんは、『卵かけご飯より、チュールをよこすのにゃ』とつぶらな目で伝えていた。
その仕草は、めちゃくちゃかわいい。
まさに、完全な不意打ちだ。
そんなベルちゃんと遊んでいる間も、わたしは次々に話題を繰り出していた。
「渚くん。好きなものを好きなだけ食べる。それが一番だよね」
「俺も、そう思うよ」
「卵かけご飯とか!」
「冬華は本当に、卵かけご飯が好きだな」
枯れることなく、話題は続く。
幸せを分け合うように。
今までの溝を埋めるように、わたしたちはたくさんの話をした。
渚くんが隣にいるだけで、一日がこんなに楽しい。
やがて、渚くんのお母さんが台所から顔を出す。
「みんな、お待たせ。夕食、できたわよ」
「あ、わたしも手伝います」
わたしは渚くんのお母さんと一緒に、トレイに夕食を乗せる。
そして、ソファーの前のローテーブルに並べた。
渚くんのお母さんも席に座って、三人で食卓を囲む。
ローテーブルに並べられた食事を見て、わたしは瞳を輝かせた。
「卵かけご飯、すっごく美味しそう!」
「あら、ありがとう。冬華ちゃん、卵かけご飯が好きって言っていたでしょう。アレンジして作ってみたの」
わたしと渚くんのお母さんは、目の前の料理のことではしゃぐ。
豪華な食事に、楽しい会話。
温かいぬくもりに包まれ、多幸感で満たされた。
みんながこのまま、そばにいてくれたら、わたしは幸せ。
だから、この幸せが永遠に続きますように――。
「みゃー……」
わたしのダメ出しに、ベルちゃんがやれやれと首をかしげる。
悲しげに、しっぽがぴこぴこと揺れた。
「卵の白身だけをご飯にかけてー。メレンゲ状になるまで、よくかきまげる。最後に黄身を乗せたら、完成!」
「冬華が作る卵かけご飯は、すごくおいしいね」
わたしが得意げに言うと、渚くんは楽しそうに笑った。
渚くんはいつも、わたしが作った卵かけご飯をほんとにおいしそうに食べてくれる。
「みゃ〜!」
もっとも、ベルちゃんは、『卵かけご飯より、チュールをよこすのにゃ』とつぶらな目で伝えていた。
その仕草は、めちゃくちゃかわいい。
まさに、完全な不意打ちだ。
そんなベルちゃんと遊んでいる間も、わたしは次々に話題を繰り出していた。
「渚くん。好きなものを好きなだけ食べる。それが一番だよね」
「俺も、そう思うよ」
「卵かけご飯とか!」
「冬華は本当に、卵かけご飯が好きだな」
枯れることなく、話題は続く。
幸せを分け合うように。
今までの溝を埋めるように、わたしたちはたくさんの話をした。
渚くんが隣にいるだけで、一日がこんなに楽しい。
やがて、渚くんのお母さんが台所から顔を出す。
「みんな、お待たせ。夕食、できたわよ」
「あ、わたしも手伝います」
わたしは渚くんのお母さんと一緒に、トレイに夕食を乗せる。
そして、ソファーの前のローテーブルに並べた。
渚くんのお母さんも席に座って、三人で食卓を囲む。
ローテーブルに並べられた食事を見て、わたしは瞳を輝かせた。
「卵かけご飯、すっごく美味しそう!」
「あら、ありがとう。冬華ちゃん、卵かけご飯が好きって言っていたでしょう。アレンジして作ってみたの」
わたしと渚くんのお母さんは、目の前の料理のことではしゃぐ。
豪華な食事に、楽しい会話。
温かいぬくもりに包まれ、多幸感で満たされた。
みんながこのまま、そばにいてくれたら、わたしは幸せ。
だから、この幸せが永遠に続きますように――。



