桜ノ丘の約束-10年前の後悔-

4. 病院の前で
 
 病院に到着すると、白い建物がどこまでも広がっていた。
 受付を済ませ、案内された病室の前に立つ。
「……行くぞ。」
 泰亮がノックをする。
「先生、俺たち、来ましたよ。」
 しばらくの沈黙の後、病室の中からかすかな声が聞こえた。
「……入ってきなさい。」
 その声に、彼らはゆっくりと扉を開いた。