桜ノ丘の約束-10年前の後悔-

1. 迷いの中で
   東京に戻った純鈴は、日常の忙しさに追われながらも、心のどこかに違和感を抱えていた。
 仕事は順調だった。
 企画チームのリーダーとして、新しいプロジェクトを任されることも増えてきた。
 だけど——
「……私は、本当にこのままでいいの?」
 デスクに並ぶ書類を眺めながら、彼女は小さく息をついた。
 「自分を成長させること」
 それをずっと目標にしてきた。
 でも、"成長すること"と"自分が本当にやりたいこと"は、同じなのだろうか?

2. ある出来事
   そんなある日、彼女は後輩の水野と一緒に、新しいプロジェクトのプレゼン準備をしていた。
「純鈴さん、私、このプレゼン緊張します……。」
「大丈夫だよ、水野さん。」
 彼女は、後輩の肩を優しく叩いた。
「緊張するのは、それだけ本気だから。大切なのは、"伝えたいこと"を意識すること。」
「伝えたいこと……。」
「うん。"これを伝えたら、相手はどんなふうに感じるだろう?"って考えながら話すと、意外と自然に言葉が出てくるよ。」
 水野は、少し考え込んだ後、頷いた。
「ありがとうございます……!」
「うん、頑張ろうね。」
 その瞬間——
 純鈴は、自分が"人と一緒に何かを作ること"が好きだと気づいた。

3. 新しい道を考える
   プレゼンが終わった後、彼女はふと考えた。
 ——私は、これから何をしたいんだろう?
 成長することは大切だ。
 でも、それ以上に、自分が本当にやりたいことを見つけることも重要なのではないか?
「……私は、"人と一緒に作ること"が好きなんだ。」
 それなら、もっとその気持ちを大切にしたい。
 純鈴は、ノートを開き、考えを整理し始めた。

4. 仲間たちへの報告
   その夜、純鈴はグループチャットにメッセージを送った。
純鈴:「みんな、私、キャリアチェンジを考えてる。」
智香:「え!? どういうこと?」
基翔:「何かやりたいこと見つかったのか?」
純鈴:「まだはっきりとは決まってないけど、"人と一緒に何かを作る仕事"をもっとしてみたいって思ってる。」
将貴:「それって、具体的には?」
純鈴:「例えば、プロジェクトマネジメントとか、教育系の仕事とか……。"チームで何かを生み出す"ことをもっと学びたいの。」
泰亮:「純鈴らしいな。」
美耶:「うん、すごくいいと思う!」
 彼女は、仲間たちの温かい言葉を受け取って、深く息をついた。
「……よし。」
 これから、もっと学んで、次のステップへ進もう。

5. 新しい一歩
   数週間後、純鈴はチームマネジメントの専門講座に申し込んでいた。
 ——人と協力しながら、新しいものを生み出す力をつけるために。
 講座の初日、彼女は大きく深呼吸して教室に足を踏み入れた。
「ここからが、新しいスタートだ。」
 彼女は、新しい未来へと踏み出したのだった。
(第22章・終)