1. 新しい道を見つけた日
東京に戻った基翔は、自分の部屋でカウンセリングの本を広げていた。
——人の心に寄り添う仕事をしたい。
桜ノ丘での旅を終えてから、その思いが強くなっていた。
「でも、本当にできるのか……?」
カウンセラーになるためには、資格を取る必要がある。
そして何より、本当に人の気持ちに寄り添えるのか、自信がなかった。
しかし——
「考えてても仕方ない。やるしかない。」
基翔は、新たな道を進むために動き始めた。
2. カウンセリングスクールへ
数日後、基翔はカウンセリングスクールの体験説明会に参加した。
講師が話す内容をメモしながら、周囲の受講生たちを見渡す。
「……みんな、本気だな。」
社会人も多く、年齢層は幅広い。
そして、全員が真剣な表情で学んでいる。
「俺も、ここで学ぶべきなんだ。」
説明会が終わる頃には、彼の心は固まっていた。
「よし、やってみよう。」
彼は、正式にカウンセリングの勉強を始めることを決意した。
3. 初めての実践練習
数週間後——。
基翔は、スクールの実践授業で"傾聴トレーニング"を受けていた。
傾聴とは、相手の話を受け止め、共感しながら聞くこと。
「相手の言葉を遮らず、まずは"その人の気持ち"を理解しようとしてください。」
講師の言葉に従い、基翔はペアになった相手の話を聞いた。
「……最近、仕事で上手くいかなくて。自信がなくなるんです。」
「……そっか、それは辛いですね。」
基翔は、相手の目を見ながらゆっくりと頷く。
「どんな時にそう感じますか?」
「上司に注意されるたびに、"俺はダメなんじゃないか"って思うんです。」
「その時、どんな気持ちになりますか?」
「……悔しい、けど、それ以上に怖い。」
相手の言葉を聞きながら、基翔は思った。
——10年前の俺も、同じだった。
「怖いって思うのは、"失敗したくない"っていう気持ちが強いからですよね。」
「……そうかもしれない。」
基翔は、相手の話に深く共感しながら、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「でも、それって"本当は成長したい"っていう気持ちがあるからじゃないですか?」
その言葉に、相手の目が大きく見開かれた。
「……そんなふうに考えたことなかった。」
「成長したいって思うからこそ、不安になる。でも、その不安は、次に進むためのエネルギーにもなると思うんです。」
「……ありがとう。」
相手が、少し微笑んだ。
その瞬間——
基翔は、自分がこの仕事を本当にやりたいと確信した。
4. 仲間たちへの報告
その夜、基翔はグループチャットにメッセージを送った。
基翔:「俺、カウンセラーの勉強始めた。」
泰亮:「おお!ついに動き出したな!」
智香:「すごい……!どんな感じ?」
基翔:「まだまだ勉強中だけど、やっぱり"人の話を聞く"って大事だなって実感してる。」
純鈴:「基翔なら、絶対向いてると思う!」
温かい言葉が次々と届く。
彼は、改めて気づいた。
「……俺は、もう一人じゃないんだな。」
10年前、彼らはバラバラになった。
でも、今は支え合いながら、それぞれの道を歩んでいる。
「よし、頑張るか。」
彼は、新しい未来に向かって進み始めた。
5. カウンセラーとしての第一歩
数ヶ月後——。
基翔は、スクールの最終課題として、実際にクライアントの相談を受ける模擬セッションに挑んでいた。
目の前のクライアント役の受講生が、ゆっくりと話し始める。
「最近、人生に迷っていて……。」
その言葉を聞いた瞬間、基翔は自然と微笑んだ。
「……わかります。僕も、つい最近まで同じ気持ちでした。」
彼は、相手の目を見て、静かに語りかける。
「でも、"迷う"ってことは、"自分の人生をちゃんと考えている"ってことだと思うんです。」
「……。」
「だから、焦らずに、"どう生きたいのか"を一緒に考えましょう。」
相手が、小さく頷く。
その瞬間——
基翔は、ようやく"自分の進むべき道"を見つけたのだった。
(第20章・終)
東京に戻った基翔は、自分の部屋でカウンセリングの本を広げていた。
——人の心に寄り添う仕事をしたい。
桜ノ丘での旅を終えてから、その思いが強くなっていた。
「でも、本当にできるのか……?」
カウンセラーになるためには、資格を取る必要がある。
そして何より、本当に人の気持ちに寄り添えるのか、自信がなかった。
しかし——
「考えてても仕方ない。やるしかない。」
基翔は、新たな道を進むために動き始めた。
2. カウンセリングスクールへ
数日後、基翔はカウンセリングスクールの体験説明会に参加した。
講師が話す内容をメモしながら、周囲の受講生たちを見渡す。
「……みんな、本気だな。」
社会人も多く、年齢層は幅広い。
そして、全員が真剣な表情で学んでいる。
「俺も、ここで学ぶべきなんだ。」
説明会が終わる頃には、彼の心は固まっていた。
「よし、やってみよう。」
彼は、正式にカウンセリングの勉強を始めることを決意した。
3. 初めての実践練習
数週間後——。
基翔は、スクールの実践授業で"傾聴トレーニング"を受けていた。
傾聴とは、相手の話を受け止め、共感しながら聞くこと。
「相手の言葉を遮らず、まずは"その人の気持ち"を理解しようとしてください。」
講師の言葉に従い、基翔はペアになった相手の話を聞いた。
「……最近、仕事で上手くいかなくて。自信がなくなるんです。」
「……そっか、それは辛いですね。」
基翔は、相手の目を見ながらゆっくりと頷く。
「どんな時にそう感じますか?」
「上司に注意されるたびに、"俺はダメなんじゃないか"って思うんです。」
「その時、どんな気持ちになりますか?」
「……悔しい、けど、それ以上に怖い。」
相手の言葉を聞きながら、基翔は思った。
——10年前の俺も、同じだった。
「怖いって思うのは、"失敗したくない"っていう気持ちが強いからですよね。」
「……そうかもしれない。」
基翔は、相手の話に深く共感しながら、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「でも、それって"本当は成長したい"っていう気持ちがあるからじゃないですか?」
その言葉に、相手の目が大きく見開かれた。
「……そんなふうに考えたことなかった。」
「成長したいって思うからこそ、不安になる。でも、その不安は、次に進むためのエネルギーにもなると思うんです。」
「……ありがとう。」
相手が、少し微笑んだ。
その瞬間——
基翔は、自分がこの仕事を本当にやりたいと確信した。
4. 仲間たちへの報告
その夜、基翔はグループチャットにメッセージを送った。
基翔:「俺、カウンセラーの勉強始めた。」
泰亮:「おお!ついに動き出したな!」
智香:「すごい……!どんな感じ?」
基翔:「まだまだ勉強中だけど、やっぱり"人の話を聞く"って大事だなって実感してる。」
純鈴:「基翔なら、絶対向いてると思う!」
温かい言葉が次々と届く。
彼は、改めて気づいた。
「……俺は、もう一人じゃないんだな。」
10年前、彼らはバラバラになった。
でも、今は支え合いながら、それぞれの道を歩んでいる。
「よし、頑張るか。」
彼は、新しい未来に向かって進み始めた。
5. カウンセラーとしての第一歩
数ヶ月後——。
基翔は、スクールの最終課題として、実際にクライアントの相談を受ける模擬セッションに挑んでいた。
目の前のクライアント役の受講生が、ゆっくりと話し始める。
「最近、人生に迷っていて……。」
その言葉を聞いた瞬間、基翔は自然と微笑んだ。
「……わかります。僕も、つい最近まで同じ気持ちでした。」
彼は、相手の目を見て、静かに語りかける。
「でも、"迷う"ってことは、"自分の人生をちゃんと考えている"ってことだと思うんです。」
「……。」
「だから、焦らずに、"どう生きたいのか"を一緒に考えましょう。」
相手が、小さく頷く。
その瞬間——
基翔は、ようやく"自分の進むべき道"を見つけたのだった。
(第20章・終)


