桜ノ丘の約束-10年前の後悔-

3. 桜ノ丘を知る人物
   その男性は、静かに景色を眺めていた。
「こんにちは。」
 智香が、おそるおそる声をかける。
 男性は振り返り、優しく微笑んだ。
「こんにちは。」
「すみません……私たち、この場所について知りたくて来たんです。」
「……そうか。」
 彼は、ゆっくりと頷いた。
「お前たちは、"西岡達也"の友人たちか?」
 その名前を聞いた瞬間、全員の身体が固まった。
「……達也のことを、知っているんですか?」
「もちろんさ。」
 彼は、少し懐かしそうに空を見上げた。
「達也は、よくここに来たいと言っていたよ。」
「どうして……?」
「それは……"ある約束"があったからだ。」