桜ノ丘の約束-10年前の後悔-

2. 桜ノ丘へ行くかどうか
   葬儀が終わった後、彼らは病院近くのカフェに集まった。
 村瀬先生が遺したノートには、達也が最後に行きたがっていた「桜ノ丘」のことが記されていた。
「……行くべきだよな。」
 泰亮が、腕を組みながら言う。
「でも……。」
 純鈴が、少し戸惑った表情を見せる。
「行ったところで、私たちは何を知ることができるの?」
「それは、行ってみなければわからない。」
 将貴が静かに言う。
「でも、俺たちは10年間、何も知らないまま過ごしてきた。……このまま知らないままでいいのか?」
 その言葉に、誰もが沈黙する。
「俺は……行きたい。」
 基翔が、ゆっくりと口を開く。
「達也が、なぜそこに行きたがっていたのか……その理由を、俺たちは知るべきだと思う。」
「……私も。」
 智香が、そっと呟く。
「達也が、最後に何を思っていたのか……知りたい。」
「……なら、行くしかねえな。」
 泰亮が頷く。
 そして、全員の視線が揃う。
「……決まり、だな。」
 彼らは、達也の最後の願いを確かめるため、桜ノ丘へ向かうことを決めた。