6. 10年後の真実と向き合う
現在——再び教室にて。
「……俺たちは、間違ってたんだな。」
泰亮が、机に手をつきながら呟く。
「俺は、"誰かを悪者にしなきゃ"って思ってた。そうしないと、自分の気持ちが整理できなかったんだ。」
「俺も同じだよ。」
将貴が、静かに言った。
「結局、俺も"正しさ"から逃げたんだ。……全部、自分のせいにすれば、楽になると思ってた。」
「……ごめんね。」
その言葉を口にしたのは、智香だった。
「私は、将貴を助けることも、泰亮を止めることもできなかった。……10年前の私には、何もできなかった。」
「違う。」
将貴は、ゆっくりと顔を上げた。
「今、こうして話せてる。……それが、"何もできなかった"ってことじゃないだろ?」
彼のその言葉に、智香の目から再び涙がこぼれた。
——10年の時を経て、彼らはようやく本当の意味で過去と向き合い始めたのだった。
(第6章・終)
現在——再び教室にて。
「……俺たちは、間違ってたんだな。」
泰亮が、机に手をつきながら呟く。
「俺は、"誰かを悪者にしなきゃ"って思ってた。そうしないと、自分の気持ちが整理できなかったんだ。」
「俺も同じだよ。」
将貴が、静かに言った。
「結局、俺も"正しさ"から逃げたんだ。……全部、自分のせいにすれば、楽になると思ってた。」
「……ごめんね。」
その言葉を口にしたのは、智香だった。
「私は、将貴を助けることも、泰亮を止めることもできなかった。……10年前の私には、何もできなかった。」
「違う。」
将貴は、ゆっくりと顔を上げた。
「今、こうして話せてる。……それが、"何もできなかった"ってことじゃないだろ?」
彼のその言葉に、智香の目から再び涙がこぼれた。
——10年の時を経て、彼らはようやく本当の意味で過去と向き合い始めたのだった。
(第6章・終)


