桜ノ丘の約束-10年前の後悔-

4. 誰のせいだったのか
 
 病院の待合室——事故の直後。
 達也は、救急車で運ばれた。
 意識はあったが、重傷だった。
「誰のせいなんだ……?」
 誰かが呟いた。
「セットの固定が甘かったんじゃないか?」
「設営のミスか?」
 責任を追及する空気が、徐々に場を支配していく。
「……俺が悪かったのかもしれない。」
 その時、将貴がぽつりと呟いた。
 ——その言葉が、後のすべてを決定づけた。