(架空)執事と私

執事「うん、いたよ。もう別れてる。”なんで、昔お世話になった人に、そこまでするの? 理解できない”って、怒られたよ」

私「それって、私のせいで……」

執事「違うよ。これは、僕が自分で選んだことだよ。

彼女に説明はしたよ。だから、僕に原因がある。お嬢様には関係ない」

私「そう、それなら良かった。でも、前田さんだけだね。私のこと、”おじょうさま”って言うのは」




私「うちのお父さんは、クジャクを飼いたいなんて言ってないよね」

執事「(無言で微笑む)」

私「あー、あることないこといっぱい言ってるから、何を言ったかなんてもうよくおぼえてないのよ。

さっき言ってた、必要な虚飾。何もかも、隠そうとしても良くないよね。

体型を隠そうとして、服をいっぱい着てるようなものだよ。何かに縛られずに、自由に動けるほうがいいじゃない?」

執事「そうですね」

私「でも、東京駅には行ったよね?  私一人で」

執事「東京駅には、僕も行きました」

私「えっ、そうだっけ」