(架空)執事と私

この話し方、やめましょうか。

僕は、そう思ったんだよ。言われたんだよ。”もう、疲れた”

”これから私が言うことを、全部、否定しないでほしい”

”みんなほんとのことなんて言ってくれない。私はいつまで経っても、お金持ちの娘で、私を普通に、一人の人間として見てくれる人はいない。

だったら、私がこれからおかしなことを言っても、
あり得ないことを言っても、合わせてよ。

何か、夢や作り話でもしてるってことにして”

たぶん、防御反応ですよ。人は、精神的につらくなると、脳が守ろうとする。
あなたの心が、これ以上ダメージを受けないように。

みんな、色眼鏡で見ていたんだろうね。あなたのお父さんは、お金持ちだったし、親せきの人もそう思っていた。

実際は、そうでもなかった。お父さんは20年以上前に亡くなっているし、お母さんは、亡くなってまだ1年も経ってない。

でも、何年も前のように感じる。時間の感覚って、そういうものだよね。正確ではない」