メカニカルな彼らに囲まれています

ショウくんの手が、私の両手をそっと包み込む。


「俺のことも、忘れないでほしい」

「っ……」

「もっと俺を見て、ここちゃん」


曇りのない眼差し。

黒い瞳は揺らぐことなく、真っ直ぐに私を見据えている。


あぁ、この感覚……初めて顔を合わせたときと同じだ。


目を離そうと思っても、離せなくて。
逆に逸らそうとすればするほど、視線を奪われる。

まるで不思議な引力が働いているみたい。


なんて答えたらいいんだろう。

「わかった。これからはショウくんとの時間も取るね」とか?


でも……単にテレビを観る時間を増やしたところで解決するなら、ここまで真剣になる必要あるのかな。


微動だにできずにいると、部屋の上部で変身する音が聞こえた。


「……想いは全部吐き出したか?」

「……なんで目隠しするの」

「心が困ってたから。独占したい気持ちはわかるが、そろそろ寝かせてあげなさい」


フウリさんが間に入ってくれたおかげで解放された。


わわっ、もう11時過ぎてたんだ。

明日も休みだけど、朝から勉強する予定だから早く寝ないと。


急いでテーブルの上を片づけていると、「ここちゃん……」と消え入りそうな声に呼ばれた。


「テストが終わったら、かまってね」

「う、うん。わかった」


忘れたら針千本飲ます気なのか、強引に指切りげんまんされた。

お顔の印象から、甘えん坊さんなのかなと思ってたけど……案外嫉妬深いんだな。

ショウくんの新たな一面を知り、改めて愛されていることを実感したのだった。