メカニカルな彼らに囲まれています

勢いよく布団を剥ぎ、部屋を飛び出した。

ドタバタと階段を駆け下りて、リビングのドアを開ける。


「あら、おは……」

「金髪が……!! 金髪の男の人がいるっ……!!」

「ええ? ちょっ、何。金髪?」

「ベッドで寝てたんだよ……!! ほんとにいるんだって!!」


キッチンで作業中の母を引っ張り、2階へ連れていく。


「ほらっ!」

「えええー? どこ」

「ここにいるじゃん! 金髪のイケメンが!」


ベッドの上であくびをする彼をビシッと指差すも、首を傾げている。


「んん〜……うるさいなぁ、どうしたの」

「あっ、実優(みゆう)!」


騒ぎ声で目を覚ましたのか、妹の実優がやってきた。

母と同様に、ベッドでくつろぐ彼を指差してみるけれど……。


「イケメン? これのこと?」


実優が指を差したのは、キアくんのポスター。

確かに金髪の美少年ではあるけども!