「──心、thereのもう1段階上ってなんだったっけ?」
「over thereじゃなかったかな」
「それだ。ありがとう」
「さっすがここちゃん! 大正解だよ!」
春を目前に控えた2月下旬。暖房が効いた自室にて。
来週から始まる学年末テストに向けて、寿音と若菜と3人で勉強会を行っている。
寿音に教えると、今度は若菜が「ねぇねぇ」と声をかけてきた。
「この文章おかしくないかな?」
「んー? どれどれ……え、スウィートハニー?」
「調べたらいっぱい出てきたから、雰囲気に合いそうな単語を選んでみたんだけど……」
「甘いはちみつか〜。美味しそう。ここちゃんもはちみつ好きだったよね?」
「まぁ……うん。意味はわかる。けど、テストに書くならボーイフレンドのほうが伝わりやすいと思う」
「俺も。単語だけ見たら食べ物だし。ちなみに俺は、ダーリンって呼ばれたいな」
返事をもらえたことに味をしめたのか、ベッドの上であざとく首を傾げた。
学年末ということで、気合いを入れて午前中からやっているのだけど……この通り、事あるごとにケイが口を開いてきて、全く集中できない。
「over thereじゃなかったかな」
「それだ。ありがとう」
「さっすがここちゃん! 大正解だよ!」
春を目前に控えた2月下旬。暖房が効いた自室にて。
来週から始まる学年末テストに向けて、寿音と若菜と3人で勉強会を行っている。
寿音に教えると、今度は若菜が「ねぇねぇ」と声をかけてきた。
「この文章おかしくないかな?」
「んー? どれどれ……え、スウィートハニー?」
「調べたらいっぱい出てきたから、雰囲気に合いそうな単語を選んでみたんだけど……」
「甘いはちみつか〜。美味しそう。ここちゃんもはちみつ好きだったよね?」
「まぁ……うん。意味はわかる。けど、テストに書くならボーイフレンドのほうが伝わりやすいと思う」
「俺も。単語だけ見たら食べ物だし。ちなみに俺は、ダーリンって呼ばれたいな」
返事をもらえたことに味をしめたのか、ベッドの上であざとく首を傾げた。
学年末ということで、気合いを入れて午前中からやっているのだけど……この通り、事あるごとにケイが口を開いてきて、全く集中できない。