メカニカルな彼らに囲まれています

後ろから抱きかかえる形で支えてくれたフウリさんに頭を下げて、おとなしくベッドに戻る。


「あ、あの」

「なんだ」

「そんなに、私と似てるの? お父さんとお母さん」


気まずい空気を払拭するように、質問を投げかけた。

するとフウリさんは、ふふっと柔らかい笑みを漏らして、「うん」と一言。


「似てるよ。特に優子に。優子も熱が38度もある中、早朝に起きて慎司の弁当作ってたからな」

「ひえぇぇ……。私はそのとき生まれてた?」

「あぁ。実優が生まれた後も、顔真っ青の状態で心をおんぶして掃除機かけてたよ」


妊娠中でも、寝不足でも、家事と育児を両立させていたという。

想像しただけで目が回りそう。私には到底マネできないや……。


「お母さん、昔からパワフルだったんだね」

「そうだよ。慎司も頑張り屋さんで、試行錯誤しながら一生懸命育児していた。だから、もっと自分を大切にしなさい」


ポンポンと頭を撫でてくれた。

綺麗な青い瞳が、豆電球の光で漆黒色に変わっている。


薬のときといい、気分転換のときいい、なんだかフウリさんって……。


「……なんかお兄ちゃんみたい」

「フウリお兄ちゃんか。悪くないな」

「これから呼んでいい?」

「いいぞ。2人のときなら」

「やった。ありがとう、フウリお兄ちゃん」


早速呼ぶと照れくさそうに笑って、「もうそろそろ寝なさい」と再び頭をポンポン。

妹になった気分で眠りに就いたのだった。