トラウマの再来に怯えていると、フウリさんが隣に座ってきた。
「怖いよな。またあんな思いしたらと考えると、抵抗するのもわかる」
「……それも、見てたの?」
「もちろん。飲んだ後、『もう2度と飲まない!』って優子に薬を投げつけてて……そこまでは覚えてないか」
覚えてます、今もハッキリと。あの後お母さんに怒られて、泣きながら拾い上げたから。
そんな情けない姿まで見られていたのか……と再び穴に身を隠したい衝動に駆られていると、背中に手が回されて。
「大丈夫。あの頃よりも体も大きくなったし、力も強くなった。昔は苦手だった野菜も、今はだいぶ食べられるようになっただろう?」
「うん……」
「時間はかかっても克服できたんだ。だから今回も、きっと乗り越えられる」
背中を擦ってくれたフウリさん。
相変わらず口調はお硬いけれど、眼差しは優しめ。
目の前であぐらをかいているケイも、私の手を握って、フウリさんと同じ表情を浮かべている。
「……わかった。頑張る」
「怖いよな。またあんな思いしたらと考えると、抵抗するのもわかる」
「……それも、見てたの?」
「もちろん。飲んだ後、『もう2度と飲まない!』って優子に薬を投げつけてて……そこまでは覚えてないか」
覚えてます、今もハッキリと。あの後お母さんに怒られて、泣きながら拾い上げたから。
そんな情けない姿まで見られていたのか……と再び穴に身を隠したい衝動に駆られていると、背中に手が回されて。
「大丈夫。あの頃よりも体も大きくなったし、力も強くなった。昔は苦手だった野菜も、今はだいぶ食べられるようになっただろう?」
「うん……」
「時間はかかっても克服できたんだ。だから今回も、きっと乗り越えられる」
背中を擦ってくれたフウリさん。
相変わらず口調はお硬いけれど、眼差しは優しめ。
目の前であぐらをかいているケイも、私の手を握って、フウリさんと同じ表情を浮かべている。
「……わかった。頑張る」



