メカニカルな彼らに囲まれています

うつ伏せのまま帽子とマフラーを取り払う。


粉薬は小さいときにむせたことがあって、それ以来苦手。最後に飲んだのは小学校低学年の頃だったから、もう5年以上は口にしていない。

治すためのものだとはわかってはいるんだけど、精神的にかなり苦痛なんだよなぁ……。


「多いよね、苦手って人。飲むのは毎食後?」

「うん。今日の昼から早速」

「だとすると、あと2時間くらいか」


現実を突きつけないでくださいよフウリさん。

ただでさえ肉体的にぐったりだというのに、気分までどん底に落ちちゃいますって。


「……あ、ショウくん」


ムクッと起き上がり、テレビのコードに手を伸ばす。

心配はかけたくないけど、治るまではテレビ禁止だろうから。一応伝えとかないと。


コードを掴むと、骨ばった手が私の腕を掴んだ。


「いい。ショウには俺から説明しておくから。まずは休め」

「でも……っ」

「大丈夫。自分だけ事後報告されたところで怒るほどのちっさい器じゃないから。気持ちはわかるけど、今はフウくんの言う通りにしな」

「……はい」