メカニカルな彼らに囲まれています

「だったら最初からそう言えよ……」

「そっちが勝手に勘違いしたんじゃん。ってかそこまでキレる必要ある?」

「あるだろ。俺らの大事な心を、どこの馬の骨かもわかんねーやつに渡せるかよ」


本人がいないのをいいことに、本性丸出しで床にあぐらをかいて座ったショウ。


顔は甘々ラブリーのくせに、性格は俺様気質なんだよな。それに加え毒舌でもある。

早く化けの皮が剥がれてドン引きされちゃえばいいのに。


面倒くせぇ先輩だな……と心の中で悪態をついていると……。


「まぁでも、近い将来、うちに連れてくる可能性もなくはないよな」

「だな。今は家にいても世界中の人と繋がれる時代だし。出会いの場も増えてるもんな」

「今日も昼の番組で、コンサート会場で出会って結婚したってカップルが紹介されてたから……推し活の現場で出会う、なんてこともあったりして」


盛り上がる古参組に、口元が引きつる。


「あれ、もう寝るの?」

「まだ10時前だぞ」

「仮眠取るだけ。土日で20時間近く働いたから。明日は学校だから早起きしなきゃいけないし」


上から目線で悪態ついたせいなのだろうか。
でもだからって、フウくんまで同調しないでよ。


たかがバレンタインでムキになりすぎだろって思ってたけど……なんだかんだ1番嫉妬してるのは自分なのかもな。


ベッドに入り、2人の会話から逃げるように羽毛布団を頭まで被ったのだった。