メカニカルな彼らに囲まれています

ご主人様が心地よく過ごせるよう手助けするのが、俺らスマホの仕事。心の底から誇りを持って取り組んでいる。

ただ……ここ数ヶ月で労働時間が増加傾向にあるのが、ちょっぴり心配。


擬人化するようになってからは、目の負担の軽減はできているけれど……。


「ありがとう。さすがハイスペックなだけあって頼りになるね」

「それはどういたしまして」


……まぁ、喜ぶ顔が見れたから、今日のところはいっか。


家族全員の買い物が終わり、そのまま晩ご飯を食べに行きつけのレストランへ。

家に帰ってくるやいなや、キアくんが歌番組に出演するという通知が来たため、テレビがつけられた。


「間に合った。まだ出てないよね?」

「大丈夫。8時からだから。タイムテーブルには後半に書かれてたから、半過ぎに出ると思うよ」


つい先ほどSNSにあげられたばかりの情報を伝えると、安堵した表情で床に腰を下ろした。

のもつかの間、ボン! とテレビが白い煙に包まれた。


「おはよう、ショウくん」

「おはよう〜。今日も推し活?」

「うんっ。キアくんが出るみたいで。あと夜中の番組にアイチカが出るんだけど、予約できてる?」

「バッチリ!」