メカニカルな彼らに囲まれています

「ここちゃんもいつかは……」

「ん? 何か言った?」

「あぁ、いや。ここちゃんママが夫ラブなら、ここちゃんは推しラブだなって。今朝もキアくんとサクトくんの投稿にニヤニヤ顔でいいね押してたし」

「……」

「大丈夫だ心。ニヤニヤ顔は俺らしか知らない。だから安心して……」

「わざわざ拾わないでよぉぉ。フウリさんの意地悪ぅぅ」


顔を真っ赤にして枕をフウくんに投げつけたここちゃん。


そうだよ、ここちゃんは推し命の強火オタク。でもってまだ中学生。

旦那どころか彼氏もいないっていうのに、なにを勝手に寂しがってるんだ俺は。


頭を横に振って、脳内に浮かんだ大人の彼女を消し去った。






宿題と推し活に励むご主人様を見守ること数時間。あっという間に午後の時間に。

昼食を食べた後、新井家一行は地元のショッピングモールへ。


「はぁ〜〜っ、いい匂い。この前来たときよりも香ってる〜」

「もう今週だからね」