メカニカルな彼らに囲まれています

思い出話(惚気話ともいう)が始まった。


ここちゃんパパは動物好きだからなぁ。逆チョコになってでも渡したかったくらい、ここちゃんママのことも好きだったんだな。

ここちゃんママも、15年以上も前のことをスラスラ話せる時点で、今もベタ惚れっぽい。

じゃなきゃ昨日、お土産にお揃いのマグカップなんて買わないだろうし。


惚気話が終わるのと同時にご主人様の食事が終わった。人間の姿のまま一緒に部屋に戻り、ベッドに腰を下ろす。


「ほんっと、毎回毎回長いんだから」

「なんだ、また惚気話でも聞かされたのか?」

「うん。今回はおうちデート。バレンタインの話だけならまだしも、ホワイトデーの話まで聞かされた」

「ふははっ。相変わらず慎司(しんじ)ラブなんだな、優子(ゆうこ)は」


うんざり状態のここちゃんに対し、フウくんは安心したように笑っている。


フウくんが新井家に来たのは2人が結婚した後だから、結婚前の様子は知らないんだっけ。

まだ仲間入りして2年弱の俺には、何もかもが新鮮に感じるけれど……1つだけわかるのは、新井夫婦は今も昔もラブラブってことか。