メカニカルな彼らに囲まれています

キッチンに立つ母親からフレンチトーストと目玉焼きを受け取ると、俺の向かい側に着席した。


「今日のご予定は?」

「今日は……チョコとラッピングを買いたいから、午後から出かけたいんだけど、いい?」

「はーい、午後からね。了解」


フレンチトーストにはちみつをかけながら、母親に許可を取る形で返事をしたここちゃん。

お菓子交換のための材料を購入したいのだそう。ということは、今年も手作りするらしい。


「そっかそっか。何作るかは決めてるの?」

「今年は何にしようかなー。毎年ありきたりだから変わり種のやつとかもありだよね。お母さんなら何欲しい?」


先ほどと同様の形で返答されるも、眉間にシワが寄っている。

おっと、これ以上の意地悪はお説教を食らいそうだからやめておこう。


「そうねぇ……変わったものなら、動物のチョコ? ゾウとかクマとかゴリラとか」

「そっち系? 犬とか猫じゃなくて?」

「うん。まだ結婚する前、木彫りの熊そっくりのチョコをお父さんからもらったことがあってね。最初は置き物だと思って、部屋に飾ってたの。そしたらおうちデートのとき……」