メカニカルな彼らに囲まれています

薄暗い朝日が差し込む玄関にて。ドアの前で待機中の母に返事をし、持ち物の最終確認を行う。


今日は待ちに待った日帰り旅行の日。

メンバーは、私と寿音と若菜と、付き添い兼ドライバーのお母さんの4人。


移動時間は往復で4時間弱だけれど、2人とも門限が18時だったため、早朝に出発することになった。


お財布、ポーチ、ハンカチ、ティッシュ。あとは、帽子とマフラーとエコバッグと……。


「スマホの電池は大丈夫?」

「うん、だいじょ……」


と言いかけて、ふと見上げる。


「……大丈夫、全部バッチリ」

「良かった。たくさん写真撮るなら電池満タンじゃないとねっ!」


母の隣でぶりっこポーズを取っているケイ。

このタイミングでイタズラはやめてくれよ。また不審者になるところだったじゃん。


ケイをひと睨みし、靴を履いて母の車に乗り込んだ。

寿音の家と若菜の家に向かい、2人を乗せていざ出発。

カーナビに住所を入力すると……。


「“目的地には、9時5分頃到着予定です”」