メカニカルな彼らに囲まれています

何かいい案はないかと尋ねてみると、「それなら……」とフウリさんが口を開いた。


「日帰り旅行はどうだ? 今の時期なら温泉とか。話を聞いた感じだと、あまりゆっくりお風呂に浸かれてなさそうだし」

「温泉かぁ、いいね! のんびりできるし好きなだけ笑えるし! 日帰りなら電車で行ける距離にあるといいんだけど……」

「電車なら……」

「はいはいはい! 近場なら、硫黄系の温泉が隣の県にあるよ! ちょうど今日、お昼の番組で紹介されてた!」


仕入れたてホヤホヤの情報を提供してくれたショウくん。

近くに観光スポットもあり、レストランではご当地グルメが食べられるんだとか。


善は急げ。早速両親に相談したところ、無事にオーケーをゲット。

ご機嫌ななめ気味のケイを操作して、グループチャットにメッセージを送信したのだった。






日は流れ、2月上旬の土曜日。


「忘れ物はない? 全部持った?」

「持った。と思う。ちょっと待って」