1月中旬。正月ボケが和らいできた頃。

徐々にやる気も回復し、インフルでダウンしていた寿音も今週から復活した。


忘年会ぶりの再会に喜び合った私たちだけれど、なにやら新たな問題が発生したようで……。


「──試験が迫ってきてるから、極力部屋でおとなしくしてろって言われちゃってさ。笑うのも禁止されてるの」

「うわ〜、きついね。それだとお笑い番組も禁止されてる感じ?」

「そうなの。集中したい気持ちはわかるんだよ? けどさ、笑うくらい許してもよくない? これじゃ隔離されてるときと変わんないんですけどー!」


昼休み。私の席に来るやいなや、大声で愚痴をこぼした寿音。

そんな寿音の背中を若菜が優しく擦っている。


療養期間中お預けだったテレビ番組を観ようとした矢先に訪れた、受験シーズン。

初回は第二志望の学校ではあるものの、第一志望に自信を持って臨めるようにしたいからと、家族全員に協力を仰いだのだそう。


「お姉さんに相談はしなかったの?」

「したよ。『さすがにあんまりじゃない?』って。そしたら、『あんたもいずれわかるよ』って取り下げられた」