メカニカルな彼らに囲まれています

今朝教えてもらったように、頬に触れて応答する。


「はい、もしもし」

【もしもーし! あぁ、やっと出たぁ〜】

「ごめん。今帰ってきたばっかで、ちょっとバタバタしてた」


視線を金髪に一点集中させて、吹き出しそうになるのをこらえる。


声はハイテンションなのに、表情は真顔。

ニワトリほどの不気味さはないけれど、違和感ありまくりで。逆にツボにハマる。


「どうしたの?」

【実は……インフルになっちゃってさ】

「えええ! 大丈夫? のどとか熱とかは……」

【大丈夫! ……と言いたいところだけど、熱がねぇ……。のどはそこまで痛くはないんだけど、39度あるのよ】


寿音が言うには、週末から具合が悪くなり始め、昨日は朝から晩までぐったりしていたとのこと。

本当は安静にしてないといけないけど、心細かったみたいで、5分だけ時間をもらったのだそう。

家でも隔離状態が続くのなら寂しいよね。


【多分明日、先生から説明されると思うけど、もし宿題とか出たら配達頼んでいいかな?】

「もちろん! お大事にね」

【ありがとう。じゃあまたね!】